発表内容
チャリティー販売:山田
超低価格でドリルビットなど様々な製品を今回も放出品として販売していただき、売上金を交流会にご寄付いただきました。山田さんありがとうございます。
枠などの内側を面取りする小さなカンナホルダーの自作:SUGA56
通常は枠を接着する前に内側を面取りしますが、それがしにくい場合もあります。例えば相欠き継ぎなどです。この場合のカンナは先端に刃が付いている特殊なものが必要になります。
これを45°傾けて面取りする際、一定に角度を保つホルダーがあると便利です。菅原さんはこれを自作しました。いつものことですが仕上げは実にきれいです。
ハの字の踏み台製作と塗装:梅村
以前製作した踏み台が小さかったので、実用に耐えるよう今度は大きく作りました。その分、天板とハの字の脚を支える貫材を2枚にして強度を確保。傾斜追い入れ継ぎなどの加工が増える分、高い加工精度が求められるのを見事にこなし完成。
と思ったら塗装の要望がご家族からあり、未塗装前提の完成で接着剤の染み込みがそのままだったため、塗料が載りにくく、それをカバーするため濃い色で仕上げました。
今後のため、こういう場合どのような塗料が適しているかクラブメンバーに梅村さんは相談されていました。
板のはぎ合わせクランプ術:Dalton
幅の狭い板を複数並べてはぎ合わせ、幅の広い板にするにはそれなりの道具と技術が必要です。
F型やC型クランプは短くて使えないためバークランプという、四角パイプの端に締め付け部分と受け部分のついたクランプが登場。四角パイプの空洞部分に長い木の角棒を押し込めばさらに強度が増すという説明もしながら、並べた板に上下(うえした)、上下でクランプ掛けすれば全体が反らないコツも披露。
その他自作バークランプはネジを使う締め具が作れないため、クサビによる締め付けも実演。その他様々な方法があることを知った発表でした。
リコーダー収納ケース製作:さくや
天板と底板を付け密閉された箱をまず作り、それを蓋と身に切り分ける方法は上下の木目がつながると言った利点がありますが、切り分け時、ノコギリを一周させると終点がずれるという難しさがありました。
そこでさくやさんはその問題を解決するため、切り分け部の精度をノコギリに頼るのではなく、予め6mm幅の溝を周囲に巡らしておき、溝の壁が並行であることを利用することに思い至りました。
溝幅の範囲内で、曲がっても構わずノコギリで切り分けます。そして切り分けたバリのような部分を溝の壁まで削り取れば、溝の壁は並行だから蓋と身の合わせ部分はピッタリするはずということになります。
発表ではノコギリによる切り分けを実演してくれました。予想通り曲がりましたが切り分けられました。時間の都合でそこまででした。次回、バリを削り取ったあとの結果が楽しみです。
かつて「新手一生」を旗印に独創的な新しい手を次々に生み出した鬼才升田幸三(棋士)は次のように語っています。「一生創作ですから。人のまねばかりしている時代もありますよ。少年時代は。だけど4段や5段になったら自分の将棋を指さなきゃいけません。自分で考え出さんといかんです。」と言っています。
そんな言葉がふさわしい、新たな試みのように今回の発表を感じました。
5枚継ぎによる関節の試作:杉田
5枚継ぎを杉田式ノコギリ木工の新型縦挽きガイドで行ない、アームと関節にすると何かに役立ちそうというのが実験。